パサついた風俗業界で働くすべての迷える子羊たちに贈る言葉

これはK点越えを成し遂げてなお滑空中の男が織りなす、「儚くも永久のカナシ」なハナシである。

K点=未婚の人間が、これ以上を超えると結婚することががかなり難しくなるというライン(おおよそ生後15,000日前後にある)

前回までのあらすじ

みはしの心はパサついていた。

このパサついた風俗業界が、そしてパサついた西川口が、みはしの心をパサつかせていた。

みはしはパサついたアスファルトに倒れ込んでいた。西川口の出会いと別れが交わる交差点で、あの日、夜空を駆ける流星のように放り投げたマグカップが弾けて割れたアスファルトの上に倒れ込んでいた。

もう彼が風俗業界で働いていくことは、とうに限界までパサついていたのだった。

日本の埼玉、西川口で倒れ込むみはし

みはし「もう駄目なのか・・・? おれはもうダメなのか・・・? 生後15,000日過ぎてなお未婚だし・・・これ以上風俗業界で働くのは無理なのか・・・? 誰か・・・誰か俺を助けてくれ・・・」

出会いと別れが交錯するパサついた西川口の交差点に倒れ込むみはし。人々はただ通り過ぎ、誰も助けの手を差し伸べようとはしない。しかし、そんなみはしに懸命に声援を送る人達が確かにいるのである。

それはパシフィックオーシャン(太平洋)をはるか越えたアメリカのマサチューセッツ州、ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学チアリーディング部のみなさんだった。

メモ:マサチューセッツ工科大学は頭がいい

ゴーゴーミハシ!
レッツゴーミハシ!

ゴールドとシルバーのテープで作られているボンボンをワシャワシャさせながら、パシフィックオーシャンの向こうにいるみはしに向けて懸命に声援を送っていた。マサチューセッツ工科大学チアリーディング部の皆さんの声援は巡航速度32ノットの速さ(アメリカ海軍の戦艦アイオワに匹敵する速さ)で伝わっていた。

日本⇔パシフィック(声援)オーシャン⇔米国

マサチューセッツ工科大学チアリーディング部の皆さんの声援は、少しずつみはしの耳にも届き始めていた

みはし「こ・・・この声は・・・マサチューセッツ工科大学チアリーディング部の皆さん・・・す、すまない・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」

確かにその声援はみはしの耳に届き始めていた。だだ残念なことにその声援でみはしが立ち上がるには、あまりにももうパサつき過ぎていた。みはしは今まさに完全にパサつこうとしていたのだ。

みはし「マサチューセッツ工科大学チアリーディング部の皆さん・・・頼む・・・ちょっとでいいから・・・ちょびっとだけでいいからパンチラ・・・パンチラクレメンス・・・」

みはしはパサつく意識の中、ただ囁くようにつぶやいた。それは本能が織りなした最後の言葉なのかもしれない。チアリーダーのそれはパンチラではない。そんなことは誰だって(みはしだって)知っている。

実に滑稽な話だ。

マサチューセッツ工科大学チアリーディング部という美と知性を併せ持った人々の集まり。卒業後は有能な男性と結婚し、人生の素晴らしさを謳歌するであろう。

かたや西川口の片隅で結婚する事さえ叶わぬまま、風俗業界に敗れ完全にパサつこうかとしている哀れな男。

人生の勝ち組と負け組。決して交わる事のない陰と陽。パシフィックオーシャンを挟んで揺らめく光と影。

だが、手を休めるどころか、より一層熱を帯びていくマサチューセッツ工科大学チアリーディング部の声援。時に額に汗を浮かべ、懸命にみはしに声援を送るチアリーディングは足上げに移行する。

右太ももあげ、右ハイキック(パンチラッ)左太ももあげ、左ハイキック(チラッ)

ガンバ!ミハシ!プチョヘンザァッ!
コノママジャ、ゼッタイ、オワラヘンゾァッ!

頬を上気させ、視線はパシフィックオーシャンの向こうのみはしを見据え、懸命に・・・ただ懸命に・・・

その時の様子を、実際に参加したマサチューセッツ工科大学チアリーディング部に所属するマサチューセッツ工科大学工学科2年生のジェニファーさんはこう語っている。

「ハイ、ワタシハニッポンダイスキデス。オスシ・・・テンプラ・・・アトポケモンモダイスキ!デモナットウハチョットニガテダヨ(笑)」

そのパンチラ(それがパンチラではない事は百も承知だが今はそれを議論してる場合ではない)は巡航速度36ノット(空母エンタープライズをはるかに凌ぐ速さ)で、みはしのもとに向かったのだった。

日本⇔パシフィック(パンチラ)オーシャン⇔米国

しかし…それはもう遅かった。そのパンチラはもう遅かった。もうみはしは完全にパサつく直前だった。水分を一切取らないでサータアンダギーを食べている口の中同様にパッサパサにパサついていた。もう命の滴は最後の数滴になっていた。

命の滴が最後の1滴になる前に、みはしは最後の力を振り絞って仰向けになった。空が見たかったから。

澄み渡った空を見上げ手をかざすように伸ばした。何も成し遂げられなかった。何も成し遂げられなかったパサついた人生のパサついた走馬灯が一瞬で脳裏をよぎった。急に涙がこぼれるような気がした・・・でも涙はこぼれなかった・・・もう完全にパサついていたから・・・

その時だった・・・
それはその空に現れて、みはしの耳に語りかけてきたのだ。

それはきっと女神だったのかもしれない。

パサついた風俗業界で働くあなたに贈る言葉

聞いてください。
パサついた風俗業界で働くことはあなたの自由・・・あなた自身が決めること。でもこれだけは忘れないで・・・心までパサつかせてはダメ。

心には潤いを閉じ込めて・・・

心にはいつだって潤いを閉じ込めて


記者「そうみはしさんには聞こえたんですか・・・」
みはし「・・・そう、確かにそう聞こえたんだ」

記者「女神の声が?」
みはし「そう、女神の声が」

記者「いつだって心に潤いを・・・」
みはし「閉じ込めろってね」

記者「・・・」
みはし「・・・」

記者「で、みはしさんは洗わないトリートメントをつかうようになったと」
みはし「そういうことだね」

記者「・・・」
みはし「・・・」

記者「でも心に潤いを閉じ込めるのと、髪に潤いを閉じ込めるのとじゃ違うんじゃないですか?」

そのインタビューは一昼夜続いたとか続かなかったとか・・・

★次回予告★

アカバネは、潤いを閉じ込めた髪を地球に投下しなければならない。その隙をついて、パサついた髪の強襲がかかる。

「あの人を守ってあげたい・・・」

その衝動が、みはしを引力に引かれる戦闘に駆りたてる。

次回、夢見乙女みはし「地球圏へ」
君は、刻の涙を見る・・・

この記事を書いた人

みはし
  • みはし ( / )
  • 40代転職組の"みはし"と言います。夢も希望も日常もこの会社で育んでいければと考えてます。先ずは車で日本1周したいな~なんて考えてて…次の休みはいつ取ろうかな?

みはしが書いた記事